品確法と瑕疵担保責任の違いとは

投稿者: | 2018年10月30日

住宅を購入する際に出てくるキーワードがあります。


✅ 品確法 (ひんかくほう:正しくは、住宅の品質確保の促進等に関する法律)

✅ 瑕疵担保責任 (かしたんぽせきにん)

上記2つとも、ざっくり言うと購入した家に不具合があると保証してくれる内容になっています。

なぜ2種類あるのでしょうか?


それは、使われる目的・手段・物件が違うことにより変わります。

・品確法 ⇒ 新築住宅に使われる保証

・瑕疵担保責任 ⇒ 中古住宅に使われる保証

というような感じで、新築か中古かによって使われる名目の保証が違います。

 

 

では、簡単に分かったところで、それぞれの特徴や内容を見ていきたいと思います。


品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)

品質のよい住宅を手に入れられるようにすることと共に建築主(購入者)を法的に守ることを目的として、2000年4月に施行された法律です。

1⃣10年の瑕疵担保期間

2⃣住宅性能表示制度

3⃣紛争処理機関の新設 の三つから成り立っています。

 

1⃣10年間の瑕疵担保責任とは

引き渡しから最低10年間(最大20年間)は住宅の瑕疵(かし)に対して住宅を建てた会社は責任を負わなければいけません。

瑕疵(かし):住宅に生じる不具合や欠陥のことをいいます。

対象:住宅の柱、床、屋根などの基本構造部分と雨漏りなどに関した部分になります。

 

保険に加入するのは住宅を建てた会社(施工会社)になります。施主(家を注文・購入した人)ではありません。

住宅に不具合が起きた場合

↳施工会社が保険を使用して改善をしてくれます。

もし、10年以内に施工会社が廃業した場合は?

↳保険会社が直接、改善をしてくれます。

 

購入者は10年間は必ず守られるということになります。

 

2⃣住宅性能表示制度

住宅の性能を統一された表示ルールで、比較できるように表示を行うことを定めた制度のことをいいます。

10項目の設計・施工の性能を等級により具体的に明示したものになります。

性能の違いが一目でわかり、着工前に欲しい性能の等級などを決めることができます。

さらに、希望により有償になりますが、第三者機関が指定通りの性能であるかをチェックしてくれます。安心・信頼できるようになっています。

この制度を利用した評価書付きの家には、住宅ローンに金利優遇や地震保険の割引、住宅売却時には価格が下がりにくいという数々のメリットを受けられます

設計時に行う「設計住宅性能評価」と、建設した後に行う「建設住宅性能評価」の二種類があり、どちらか一方を選択することも、両方を選択することもできます

 

評価書が発行されると、次のマークが表示されます。

 

3⃣紛争処理機関の新設

先の住宅性能表示制度によって評価を受けたにも関わらず、建築主と施工業者との間でトラブルになった場合、その間に入って調停などの紛争処理を行うというものです。

公平に紛争処理が行われるように、第三者的な立場の処理機関が取り扱うことになっています。

※ただし、トラブル処理を依頼できるのは、住宅性能表示制度によって性能評価を受けた住宅に限られます。

 

 


瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)

中古を売買する住宅に隠れた瑕疵があった場合に、売主が買主に対して負う責任のことです。

売買する上で、通常の注意をしていれば気付くであろう瑕疵は、原則、対象外となり、買主が知っていて購入した瑕疵も対象外となります。

 

この瑕疵担保責任、重要な点があります。

 

1⃣売主が個人か業者か?によって保証期間が最低2年間違う

✅業者の場合 ⇒ 引き渡しから最低2年間の瑕疵担保責任、もしくは民法の瑕疵を見つけてから1年間

この際、引き渡しから1年など、買主に不利な内容の特約が付いた場合は民法が適用され、瑕疵を見つけてから1年間になります。

 

✅個人の場合 ⇒ 引き渡しから2~3ヶ月、もしくは免除

売主が業者と個人では、期間が大きく異なります。

売主としては瑕疵の損害賠償等を請求される怖れがあるため、大きなリスクとなり家を売ることを控えてしまうのを抑えるために免責があります。

他には物件自体の築年数、土地・建物の値段、劣化状態によって左右されます。

 

2⃣保証内容

雨漏り・シロアリ・建物の重要な構造部分の欠陥や腐食・境界の不備・土地に埋まっていた埋設物 など。

基本的に建物に関しては、上記以外の殆どの部分瑕疵担保責任の対象外となります。

 

 

■問題点


しかし、購入者としては個人から購入すると瑕疵担保責任の期間が極端に短いというリスクがあります。

そういう際にインスペクションがおススメです。現在の劣化状態を知ることが出来ます。

 

更に、売主に理解していただけたら買主側が瑕疵保険も付けることも可能です。もしくは売主が瑕疵保険をつけることも可能です。

ただ、現状としては瑕疵保険を付けるには保険用のインスペクション実施や、引渡までに改修などをしなくてはならない保険が大半で時間がかかる可能性があります。

時間がかかることを理解していただける売主なのか、自分の物件ではないのに保険適合する為に改修工事をする費用を出す気持ちのある買主なのか?などの問題があります。

売主によっては「そんな時間がかかってごたごたするんだったら、何も言わない他の人に買ってもらうは」という考えの方もいらっしゃいます。

瑕疵保険の商品によっては引き渡し後に改修ができる商品もあります。

 

一番の問題点はこのような保険を仲介会社である不動産業者が理解していないという点です。

一番消費者に近い業者が理解していないと、消費者が理解することは遠いと思われます。

今年4月にインスペクションについての改正がありました。しかし、まだまだ不動産業者は理解していない所が大半だと思います。

 

そして保険によっても色々特徴があります。

保険業者に連絡して話を聞こうとしても、部署ごとに、自分のやっている担当内容しかわからず他の部署の内容まで理解していない人が多いことです。

以前電話でお話しを聞かせてもらおうとしましたが、たらい回しにされ、しっかりと理解することができませんでした。

 

 

 

さいごに


そんなこんなで、話が少し、いやかなりズレましたが、瑕疵担保責任と品確法の違いを簡単ですがまとめてみました。

住宅を購入する際は新築はともかく、中古の際は瑕疵担保責任の期間などを確認してくださいね。

 

 

 








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