【売買】境界の問題について

投稿者: | 2020年8月3日
こんにちは!日本住宅相談所の玉川です。

 

本日は土地の境界について書きたいと思います。

境界といっても一部分な内容ですが・・・

 

土地の売買を行う場合、まず買主さんが気になることは境界ですよね。

というか、仲介する不動産屋も境界に関しては責任をもって対応するべきと考えています。

中には「境界はややこしいから、しないほうがいいですよ~トラブルの元!」なんて事を言う不動産屋も居ますね。

逆にトラブルの元になる可能性の方が高いですが・・・。

だからこそ売買において、買主側の不動産屋と売主側の不動産屋が必ず2社入るべきでは・・?

 

なぜなら、双方の意見を汲み取り、調整する必要があります。一社しか入っていない場合、売主と繋がっているので、買主側ではなく売主側の肩を持つことが多いです。よって買主にとって不利になることも。

「どうせすぐ手放すし、早く利益が欲しい~!面倒くさいことと金の掛かることはしたく無ぇ!」っていう売主と、「今後所有するからこそしっかりと安全に取引をしたい!」っていう買主の要望。

買主・売主は利害関係があります。双方が違ってくるのが当たり前ですね。

 

さて、本題に戻りますが

境界に関する手続きとしては2種類あります。

所有権界筆界です。

 

所有権界とは:所有権に基づく私法上の境界。

筆界とは:法務局で登記された公法上の境界。

 

境界で問題になった場合

所有権界で問題になる場合は、私法上なので当事者間の合意によって境界を定めることができます。その際は「境界確認書」というものを使用したりします。

筆界で問題になっている場合は、公法上なので筆界確定訴訟(裁判上)や筆界特定制度(裁判外)を利用します。当事者間の合意によって境界を定めることはできないと考えられています。(一部例外有り)

所有権界で合意する場合は、筆界でも問題になっていることが多いので、同時に合意することが通常です。

 

 

 

 

境界確認書について

境界確認書とは:隣接地の所有者と所有者が、境界の位置がどこなのかについて、争いが無いことを図面等を用いてお互いに確認するための文書のことをいいます。

なぜ境界確認書が求められるのか?

争いがあるかどうかは登記簿等には載っていません。よって確認することは困難です。

売主が嘘をついている可能性だってあるし・・・

嘘をつかれていたら、買主は予測不能な損害を被る可能性があります。

 

境界確認書を作成するにあたり、「判子代」といって金銭を請求されることがあります。

隣接地の所有者の双方に境界確認書を作成するメリットがある場合、金銭のやり取りがされることは少ないです。

しかし、土地を第三者に売却する場合や所有者の一方にとってメリットがある場合は判子代を請求されることがあります。

判子代に法律上の根拠はなく、支払わなければならない訳ではありません。ただ、円滑かつ迅速に行う為のものと考えられます。

この判子代は和解金としての性質もあり、争いがある場合は高額になる可能性があります。

 

ではいくらが妥当なのか?金額について書きたいと思います。

過去の裁判事例(大阪地半平9/8/27半夕967・161)では20万円が紛争解決のための金額として適当とされました。

20万円の根拠って何なんだろう・・

双方の関係性にもよると思いますが、良好な場合は20万円よりも低い金額になると考えられています。

逆に、不当に多額の判子代を請求された場合は裁判をお勧めします。

公序良俗に反するとして無効であると判断される可能性が高いです。

 

 

 

筆界特定制度(裁判外)について

筆界確定制度(裁判上)よりも

✔迅速に解決

✔費用負担が少なくて済む

というメリットがあります。

 

 

筆界特定制度の流れ

①筆界特定の申請

②筆界特定登記官による審査

③筆界調査委員会による調査

④筆界調査委員会による意見の提出

⑤筆界特定登記官による筆界特定

筆界特定制度を申請できる人

✔土地の所有者として登記されている人

✔もしくは、相続人等

 

法務省のリーフレットに概要リーフレットがありました。ぜひご覧ください。

筆界をめぐるトラブルを解決ー筆界特定制度|法務省

 

 

 

 








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