擁壁について
本日は擁壁の注意点や見方をみなさんと共有したいと思います。
擁壁にはどんなイメージを抱かれていますか?
「特に何もない?」
「うーん、ちょっと危険」
「絶対買ってはだめ!」
「ん?よくわからないなぁ。」
と、そんな声が多いと思います。
擁壁の注意点は以下のとおりです。
中古物件を購入する際の建物状況調査では擁壁の調査は対象外になります。
中には検査員によっては調査してくれる方もいると思います。
なので、御自身でもチェックできるようにしてみてください。
擁壁の注意点1⃣
擁壁には確認申請が必要なものと不要なものの2種類あります。
確認申請とは:家などをを建てるとき、その建物(建築物)が法律や条例に反していないかということを確認するために、「建築確認申請」をする必要があります。
新築のときはもちろん、増改築の場合にも必要になります。基本的にほとんどの建物では工事に取り掛かる前に建築確認が必要になります。
建築確認が取れなければ着工することができませんので、家を建てるとき、まず最初にやらなければいけない手続きとなります。
その見分け方はとは、擁壁が2メートルあるかどうかがポイントになります。
2メートル越えの擁壁は、建築基準法的に”工作物”にあたります。
工作物に該当すると確認申請が必要になります。
2メートル以下の場合は工作物に該当せず、確認申請も不要になります。
擁壁の注意点2⃣
2M越えの擁壁は”検査済証”があるか所有者に確認しましょう。
検査済証とは:「建築確認、中間検査、完了検査」の3つがすべて完了し、その建物が法律の基準に適合していることが認められたときに交付される書類です。
検査済証は、将来、家の売却やリフォーム等の際に必要になることもあるので、大切に保管しておくことが大切です。
工作物に該当した擁壁は確認申請後、検査済証の書類が発行されます。
その検査済証の書類がある擁壁は、「法に適した擁壁」になります。
所有者が検査済証を持っていない場合は市が管轄している建築指導課や建築安全課等へ行きましょう。検査済証の有無を確認できる可能性があります。
もし検査済証の確認できない場合、現状から安全性を証明することは厳しい場合が多いそうです。
擁壁は違反建築物に該当し、住宅を建て直す際に確認申請の許可が下りない場合が考えられます。
そうなると擁壁も作り直す必要が生じ、費用もかなり高額で、大きな負担となります。
よって2M越えの擁壁は検査済証が無い場合は、のちに大きなトラブルにつながりかねません。
擁壁の注意点3⃣
2M以下の擁壁は確認申請が不要→だからこそ注意
2M以下の擁壁は工作物に該当しません。よって行政の確認が入らない為、注意が必要です。
擁壁の計算書の有無があるかどうかを確認されることをお勧めします。
1M程度の擁壁でしたら特に問題は無いと思われますが、2M近い擁壁は注意が必要です。
擁壁の注意点4⃣
擁壁は大きく分けて2つの種類があります。
・積み擁壁(コンクリートブロック積みや練り石積み)
・コンクリート擁壁
積み擁壁について
練り石積み擁壁は間知ブロックや自然石を使用、コンクリートブロック擁壁は擁壁として使えるものを使用しています。
自然石を使用している擁壁は古い擁壁が多いです。
そして現在の建築基準法を満たしていない事が多いと考えられます。
また風化しやすく劣化が進行しているケースが多いです。
コンクリートブロックの積み擁壁は、一見して擁壁用のコンクリートブロックかどうかの判断は難しいのが現状です。
さらに2M以下の場合、擁壁の場合は確認申請が不要なため、中が空洞のコンクリートブロックが使用されていることも考えられます。
そうなると2m近いコンクリートブロック積み擁壁は何かの際に危険が及ぶ可能性があります。
コンクリート擁壁について
コンクリート擁壁は比較的新しい擁壁に多いです。
地中部分が適切に施工されていないことがあるかもしれません。
擁壁の強度を判断するのは構造設計の専門家でさえ難しい部分です。
擁壁の注意点5⃣
水抜き穴は3㎡に1ヵ所、穴の大きさは75mm程度
水抜き穴に苔が発生し、雑草や土で埋まっている可能性もあります。
中まで観察されることをお勧めします。
水抜き穴が無い場合、土の水分が外に出せず、水位が上がるでしょう。
そうなると水の力が擁壁に加わり破壊する恐れがあります。
擁壁は工事費が高額ですぐに解体や作り直しは難しいと考えられます。
現地を確認し、不安な際は行政や構造設計の専門家等に相談されることをお勧めします。
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