こんにちは!
日本住宅相談所の玉川です。
本日は浄化槽の人槽(にんそう)算定方法について書きたいと思います。
私の勉強かつメモ代わりのため、内容を間違えている可能性もあります。
参考にしている方がいらっしゃれば、本当に参考程度にお願い致します。
まず、基本的な考えとして・・・
↑こちらの指針を見て勉強しました。
人槽とは
浄化槽の大きさの目安として使われることをいいます。処理能力の単位です。
人槽を出すには算定式があり、利用状況によって必要な浄化槽のサイズを出します。
浄化槽とは
浄化槽とは、特記する場合を除き、屎尿と雑排水(工場廃水、雨水その他の特殊な排水を除く。以下同じ。)とを合併して処理する方法(合併処理浄化槽)を言うものとする。
敷地内に浄化槽というタンクみたいなのを埋め込んだりしているものをいいます。
浄化槽の中には微生物が生きていて人の排泄物💩であったりキッチンで洗い物をした水とかを流し込まれているものを分解し、キレイにしてから放流しています。
以前、浄化槽のブログを書いていたのでこちらもリンクを貼っておきます。
さて、浄化槽の人槽算定ですがなぜそんな計算する必要があるの?って話なんですが。
こちらは確認申請の際に浄化槽を使ったり、使われていたりする際に必要になります。
1⃣浄化槽の見取り図
2⃣処理対象人員算定書 ←これ!
3⃣浄化槽の形状、構造及び大きさ
4⃣その他
イ 浄化槽の設置場所付近の見取り図
ロ 浄化槽を設置する建築物の平面図、配置図及び屋内外排水配管図
ハ 浄化槽の平面図、配置図及び構造図
ニ 浄化槽の仕様書(容量計算、構造計算、電気シーケンスを含む。)
ホ 浄化槽の処理工程を明らかにした図書
ヘ 放流経路、放流先等
ト 法第 31 条第 2 項の認定に係る認定書の写し、令第 35 条第 1 項の認定書の写し
用途変更で必要
用途変更をする際、再度確認申請が必要になる場合があります。
その際に浄化槽がある建築物の場合は浄化槽の人槽が算定が必要になります。
算定方法
1⃣JIS A 3302-2000を使った方法
2⃣建築基準法を使った方法
1⃣JIS A 3302-2000を使った方法
基本はこちら
世界のkubotaさんのサイトにて、まとめられていたので参考URLを貼らせて頂きます。
人槽算定プログラム 処理対象人員算定表(建築用途別処理人員算定:早見表)
建築用途によって算定式が異なります。
延べ床面積であったり客室数であったり、利用者数であったり・・・
該当する用途の算定式を探してください。
ただし書きについて
利用する用途によって算定が違うので、貯水槽の大きさが現実的ではない!!となることがあります。
そういう場合、ただし書きとして、下記が書かれています。
ただし、建築物の使用状況により、類似施設の使用水量その他の資料から表が明らかに実情に添
わないと考えられる場合は、当該資料などを基にしてこの算定人員を増減することができる。
こちらのpdfの5ページ目が参考になったので見てみて下さい。
関係機関との協議による浄化槽容量の見直し(紀勢自動車道 紀伊長島IC~紀勢大内山IC)
算定人員を増減する場合は証拠(過去の実績)が必要になるんですね。
他の根拠資料としては
・類似施設の水道使用量を参考にしたり
・水使用量の算出根拠
・仕様用途の面積によって算出したりする方法があるそうです。
市区町村によっては個別に対応出来ない所もあるそうなので、直接市区町村の担当課と相談されるのが一番かと思います。
◆◇例◇◆
◇過去に診療所として新築していた建築物
延べ面積330㎡
JIS3302で算定→医療施設関係:ロ:診療所・医院
算定式 n=0.19×延べ床面積
0.19×330㎡=62.7 ≒63
65人槽などの貯水槽を選定・納品(メーカーによって異なる)
↓↓月日は流れ・・・・・↓
◇診療所からデイサービスへ用途変更
住宅施設関係:二:学校寄宿舎・自衛隊キャンプ宿舎・老人ホーム・養護施設
算定式 n=定員
なお、「定員」とは、学生、従業員、作業員、管理人等、通常当該建築物に収容される人員すべてを加算したものとする。
定員=70人とする。
老人ホーム関係は計算式が簡単なため、必要人数=人槽の大きさになります。
よって70人槽を入れる必要がある
しかし施主サイドもしくは家主は「工事はしたくない!お金はかけたくない!そのまま使いたい!」と言った場合どうしましょう?💦
解決方法・・・・定員を減らす
そのまんまな答え・・すいません。(-_-;)
直接、課の担当者や施主もしくは家主と相談するしかないですね。
もしくは
・類似施設の水道使用量を参考にしたり
・水使用量の算出根拠
の解決方法があります。
※追記
大阪府の建築指導室 審査指導課 建築環境・設備グループの担当者(06-6210-9725)と電話にて教えていただいたところ、
JISの算定方法は最低ラインの人槽計算になるとのこと。
最低ラインということがキーワードですね。
もし、JISの計算より小さい浄化槽を入れる場合は「多分、え、あ、はい・・・大丈夫・・・です💦」のレベルでは無く、「絶対大丈夫!!!こんだけ資料ありまっせ!✨」と説明できるものを用意してほしいとのこと。
✅利用人数
✅利用人数に対しての水道量
✅閑散期ではなく、繁忙期の場合のお客様やスタッフの数・利用量で計算(店などの場合)
”JISの算定はかなり前から使用しているものになる。今はライフスタイルがJISを作成した時代より変化している。水道をより多く使う家庭もあれば節水型ものも増えている。しかしJISが基準となっているため、算定より小さな浄化槽を入れる場合は必ず納得できる説明資料が必要”
とのことでした。
また必ず事前相談をしてから手続きを行ってほしいとのことです。
そしてJISの算定で出てくる算定結果はあくまで最低レベル。
例えば計算して50人槽が出てきた場合でも、余裕を見て60人槽や大きめの浄化槽を入れてほしいのが役所の考えだそうです。
店舗によって人気店なのか人気が無い店なのか?
来店客数が多いのか少ないのか・・?
それは役所は分からないので、建築士や施主は最低ラインの浄化槽の大きさをお互い話し合う必要がありますね。
施主にとっては少しでも初期投資額を減らしたいと思いますが、もし浄化槽のキャパオーバーになった際はもっと大変なことになりますよね。
・・・要打ち合わせですね。
家庭の場合
各メーカー共に、5人槽・7人槽・10人槽の3種類が一般的だそうです。
正しくはこちらもJIS3302で算定しています。
設置される浄化槽の大きさは、建築基準法の処理対象人員算定基準に基づいて、家の延べ床面積によって決まります。
延べ床面積
130㎡以下⇒5人槽
130㎡以上⇒7人槽
2世帯住宅で、両方に台所・風呂がある⇒10人槽
参考サイト 埼玉日化サービス株式会社
※追記
大阪府の建築指導室 審査指導課 建築環境・設備グループの担当者(06-6210-9725)と電話にて教えていただいたところ、
5人槽もそこまで大きくない。ご家庭のレベルでも大きめのものを入れてほしいとのことでした。
2⃣建築基準法を使った方法
↓この国土交通大臣が定めたものや認定したものを探したのですが見つからない・・見つかったら変更します。
※追記
大阪府の建築指導室 審査指導課 建築環境・設備グループの担当者(06-6210-9725)と電話にて教えていただいたところ、
建築基準法の記述は型式認証(かたしきにんしょう)といい、メーカー等が工場で浄化槽を造る際のルールを認証することをいうそうです。
また、人槽算定についてJISは建築基準法から引用しているため、二つのイコールであるとのことでした。
・・・ということで、建築基準法でJISとは違い、別の算定方法があるのか?ということですが・・・
無い!!という結果です。
私たちは住宅購入者に特化した相談所です。
日本住宅相談所
住宅購入を考えているすべての方に対して開かれた相談所でありたい。
気軽に何でも相談できる相談所でありたい。
第三者性の中立的な立場でお客様をお手伝いします。
顧客目線・お客様の利益になることを第一に考えます。