擁壁(ようへき)は異常が出やすいってホント?
擁壁(ようへき)がある物件は多いと意外と多いと言われています。
擁壁の多くは盛土で作られています。
切土とは:土を切り出して平らな敷地を造成すること。切土はもともとの地面を削るだけなので、強度は維持されている。
盛土とは:土を盛って平らな敷地を造成すること。盛土には強度はなく、地盤補強工事などの対策が必要。
どんな土地に擁壁があるの?
・道路との高低差がある
・隣地との高低差がある
・隣地側に崖がある
・隣地側に川や池がある
・前面道路が急勾配になっている
こうした土地には必ずといっていいほど擁壁(ようへき)が存在します。
擁壁には多くの種類があります。
擁壁は基本的には鉄筋コンクリート造りが多いですが、中にはコンクリートブロックで出来ている擁壁もあります。
擁壁の高さが、高くても低くても強度上はそんなに良いことは少ないので注意が必要です。
なぜ擁壁は不具合が出やすいの?
擁壁の近くは、安定した地盤である切土(きりど)では無く、不安定な盛土のため異常が出やすいと言われています。
切土と比較して盛土は元々地盤が安定しておらず、強度はどんな場合でも不良になります。更に、隣地など他の敷地で擁壁の異常が見つかれば、地盤不良の可能性が高まります。
どんな不具合が出てくるの?
擁壁のジョイント部分に隙間・ひび割れ・段差
擁壁の下部と地面の取り合いに穴
沈下、ひび割れ、はらみ、傾斜などがあります。異常がある場合でも、すぐに危険な状態になることは、なかなかありません。
その為に、経過観察が必要になります。全開からどのように変化が進行しているのか確認が必要です。
雨の日は擁壁の水抜き穴を見てみると・・・
雨の日に擁壁の水抜き穴を見ると、勢いよく水が流れていることがあります。
かなりの水の量が盛土部分を通過して水抜き穴から出ていることになります。
また、擁壁裏側に水が流れていることになります。
もしその水が滞留すると、擁壁に悪影響を与えることになりかねません。
擁壁と建物の保証条件は違う
建物
新築の場合、建物の”主要構造部”には長期保証があります。
例えば、不同沈下等に関しては最低10年間の保証期間(最長20年間)をつける義務になっています。これを品確法といいます。
しかし、中古物件の場合は売主が個人か業者の場合によって期間が違います。更に、新築に比べ、かなり短い期間になっています。
契約の際には保証期間などをしっかり確認をされることをおススメします。
擁壁
建物の”主要構造部”には10年間(新築)という長期保証がありますが、擁壁に関しては保証が異なります。
多くの方は「全てが10年間保証」と思われている方がいます。実際は違います。
建物と擁壁の保証条件は異なるという事を覚えていてください。
一年であったり、6ヶ月間という期間だったりします。会社によって違います。
詳しくは御自身の担当者様へ確認されることをお勧めします。
普段は生活の中で気にすることが少ない擁壁だと思います。
擁壁があるのなら、ぜひ一度擁壁をじっくりチェックして見てください
自分で知ろうとすることは、とても大切なことだと思います。
あなたの生活を守ってくれている擁壁。
今どんな状態なのかを見ておくことは、家をいつまでも快適な状態にすることにつながります。
国土交通省が出している自分でできる擁壁チェックシートがあります。
ぜひご活用ください。
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